カテゴリー別アーカイブ: 徒然なるままに

皮膚/ 第3の聴覚/ アルファ波

ストラクチュラル・インテグレーションの10セッションを受け始めると、第1セッションから身体の快適な感じを感覚していただける場合が多いのですが、ひとつは第1セッションが胸郭を中心に働きかけ、呼吸機能の改善がなされることで酸素摂取量も増え、バイタルエナジーが上がり身体が活性化されるからにほかなりません。

もう一つ、獲得できる快適さの要因として、まだまだ研究段階ですが面白そうのが、筋膜が整うことで、アルファ波を発生させる超音波を上手に受け取ることができるようになる、というものです。

アルファ波とは、脳波の一つで安静時に多く発生することからリラックス脳波といわれ、これは耳では聞こえない超音波によって増幅されることがわかっています。超音波は、耳で知覚はできないけれども自然の音の中には多く含まれ、なんとなくリラックスできるところ、海辺の潮騒や森林の葉音等自然の中の音には超音波が含まれています。

(そのおかげで、自然の音を聞くとアルファ波が出てリラックスできる、とそんなうたい文句のCD等も多く出ていますが、一般家庭にあるような音響機器では再生されていないそうです。)

通常の聴覚というのは、ご存じのとおり空気の振動が耳の穴を通り、やがて鼓膜に達してその振動を介して知覚します。それとは別な聞き方として、骨伝導、というのも聞いたことがあるかもしれませんが、字のごとく直接骨に振動を伝えることで聴覚器官に知覚させます。では、第3の聴覚とはどんなものでしょう。どうも他2つとは違って聴覚器官(蝸牛など)を介さずに聴覚野(脳内の音を認識するところ)へ届いているようなのですが、さまざま検証していくと、どうも皮膚で感じ取った微細な振動を伝えて聴覚野で音として処理されているのじゃないか、というのが今のところの有力な結果らしいです。

詳しい仕組みというか専門的な内容は大学の先生方にお任せするとして、皮膚で聞いてどう伝わっていくか、というと、どうも表層筋膜を伝わっているようなのです。その伝わり方も、膜の状態で左右されるようで、しわの少ない潤った状態の方が伝わり方がいいそうです。
筋膜はタンパク質の弾力性のある繊維で織られた布のようなもので、それが液体の基質に浸っている状態です。その布にしわがよったり、基質がゲル化(悪い状態)してどろどろになったりすると、超音波はうまく伝わらず、快適性と関係の深いアルファ波も出にくくなってしまうということです。

ダ・ヴィンチあたりも解剖をよくして、近代医学の発展はルネッサンスころから始まったといってもいいと思いますが、そこから永らくただの膜とか袋として相手にされなかった筋膜も、近年は急速に重要性を認められています。外科医や理学療法士も筋膜を無視して既存の方法に胡坐をかいていられなくなってきています。ストラクチュラル・インテグレーションの10回のプログラムも素晴らしいですが、何よりヒトの本質に近づく新しい道を示したアイダ・ロルフ博士の洞察力・先見性が素晴らしいですね!

 

では、また。

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ソーシャルブレインズ / 認知コスト / 体癖

医療の分野でも、細分化し個々の機能を解明していくことに費やしてきたところから、並行してホリスティックといわれるような全体性の中での医療も研究され始めていますが、それは脳科学の世界でも同じ流れのようです。ソーシャルブレインズというのは、今までの一つの脳の中の機能を研究してきた脳科学から、ちょっと踏み出して社会性のある機能を研究してみよう、という分野のようです。
どうやら、ぼくらの脳は社会の関係性の中で機能していて、ことさら保守的で、自由を謳歌することなどてんで望んでいないような振る舞いをしているようです。

藤井直敬 著「ソーシャルブレインズ入門」

社会的なたくさんの脳(=ソーシャルブレインズ)が、直面した社会に対していかにふるまうか、という意思決定の仕組みを、脳機能を勘案して研究しているようですが、そこに「認知コスト」というキーワードが出てきます。これはボディワークの観点からも大いに納得できるものでした。
「認知コスト」とは、慣れ親しんだ快適な状態を変えるコストなのですが、脳は常にエネルギー的にひっ迫していて必要以上にエネルギーを使う想定外の事態を嫌うようです。簡単に言えば、考えなくても済む習慣的なサイクルを快適に感じるということです。つまり、今までの理解、判断基準、行動規範を更新することは、脳にとっては「コスト」なのです。

先ほど、慣れ親しんだ快適な状態、と書きましたが、これはあくまでエネルギーのひっ迫した脳が余分な働きをしない、という視点からの話です。たとえば、友人なり会社の同僚でも、自分から問題を作ったりストレスを抱え込むような、「なんでまあそんなことするんだろうね。」というようなことをたびたび繰り返してしまう人が、身の回りにもいるのではないでしょうか。それは脳のパターン化ともいえると思います。

この本には脳の機能だけでしたが、認知コストは身体に関しても大いに当てはまります。もっと楽な所作はいくらでもあるのに、望ましくない「動きのパターン」をつくり、それを繰り返してしまうのです。望ましくない「動きのパターン」とは、標準的な動きからずれた動きを繰り返してしまうことでできた、動きの癖、そこで発生した筋膜の変移や癒着により標準的な動きに戻れなくなってしまった状態です。まあ、それが恒常化してしまっているので、本人は動きにくいとも設計図に逆らった動きをしているとも感じていないわけですが。

ぼくは自分のサイトにも、”自由な身体を手に入れよう”というようなことを書いているのですが、実は身体という物理的な側面からでも、その”自由を謳歌する身体”を手に入れるということは、ある程度の「認知コスト」を伴うことを自分ではよく実感し体感していました。それは自分がセッション受けるときも、セッションをするときも感じます。何かちょと覚悟して、乗り越えていくようなことが必要になってくるのです。

身体に発生する制限(=動きにくさ)の多くは、真摯に(つまり「認知コスト」をかけて)ストラクチュラル・インテグレーションのベーシック10シリーズに取り組めば解放され、身体はバランスされて快適な動きを取り戻します。しかしながら、ぼく自身もそうですし、経験的にも、誰もが何かしら深層にかかわる深いパターンを持っています。深いトラウマの身体的な痕跡です。それらはブラックボックスのようで、まずもって自分で認識するまでに苦労しますし、さらには手放すまでにはさらに時間と労力が必要です。

時間と労力という表現が正しいかはわかりませんが、今日明日に消えていくものではないというのが、今のところぼくの意見です。やはり見たくない部分だったり認めたくないことだったりしますので。こう書くとなんだかメンタルな問題のようにも聞こえるかもしれませんが、あくまで身体に現れるのは物理的な不具合で、深層に存在する、もしくは由来するものに対しては”かなり”の「認知コスト」が必要になります。

 

さて、このソーシャルブレインズの著者は、最後にリスペクト(=著者曰く、無条件の存在肯定)から始まる成熟した社会の在り方にまで言及します。この辺りは、ロルフ博士の言う”バランスされた人間の構成する社会”にも通ずるところがあるな、と思いながら読みました。
、リスペクトの原体験ともいえる母子間コミュニケーションから純粋に発達したソーシャルブレインズは認知コストを下げる。しかし、経済至上主義等が足かせとなりリスペクトを欠くと、それはボディブローのように社会を疲弊させる、と。余裕のない人は他社へのリスペクトも少なく、社会性も未熟。しかしながら、本来は経済的利益とリスペクトは共存でき、成熟した社会性を築けるはずというのが、著者の意見です。

バランスされた身体が、人間性にも余裕を生むのは自明の理なので、ストラクチュラル・インテグレーションが成熟した社会へ向けてひと役担えるのならば本望です。

この著者の藤井さんに、ぜひワークしてみたいですね。理解と体感がどのようにつながって、どうのような反応になるか楽しみです。

 

では、また。

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筋膜情報@Tarzan

マガジンハウスの「Tarzan」の表紙に 【筋膜】 の文字を見つけたので買ってみました。

こういった一般紙で【筋膜】という言葉が使われるようになったということは、ボチボチ市民権?を得てきた証拠でしょう。たとえば整体にしてもそうだし、カイロだって20年前にはまだオフィスはまばらで(それでも今のロルフィングよりは多かったと思いますが)、なんかボキボキやるけど音ほど痛くないみたいよ、くらいの話でした。

もう何年かしたら、巷の整体やマッサージ店の看板に
”筋膜リリース” とか、
”筋膜マッサージ” (なんだそれ?)
なんて書かれる日が来るのかもしれませんね。
さてTarzanの内容は、表紙に大きくある通り肩こり・腰痛対策としての筋膜リリースを目的としたストレッチの仕方だったり、筋膜の性質、どんなつくりでどんなふうに変化するか、など。一般向けの情報なので事細かに、というわけにはいきませんが、イラストも多くキャッチーです。

ただ「肩こり・腰痛 徹底ガイダンス」としては、引用しているのが20年も前の資料だったり、なんちゃってエルゴチェアに座ってるモデルの姿勢がひどかったり、突っ込みどころ満載なのはいつものTarzanですけれどもね。

こういった雑誌や書籍、ネットで知識を得てエクササイズするときは、できるだけ慎重に、身体に訊きながらゆっくりと始めることをお勧めします。もちろん、お近くにS.I.プラクティショナー(⇒G.S.I.の施術者リスト)がいるのならば教えを乞うのが一番ですし、どの施術者もメールで尋ねたら教えてくれると思います。
いずれにしても、肩こりや腰痛はじめ、身心の不具合は自分で作っているのですから、いつまでも仲良くしていないで手を切りましょう。痛いとか苦しいとか言っているのは消耗以外のナニモノでもないので、早いところ身体のリフォームをお勧めします。ずっと生きやすくなりますよ。

では、また

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