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膝関節痛/ 痛み止めの功罪/ 手術

ここのところ膝が痛いという中高年の方に立て続けに相談されて、ロルフィングはもとよりそのほかの方法でも何とでもなりますよ、とお話しました。歳をとってくるとそこかしこが順番に痛くなってきてもしょうがないと思っている方がほとんどのようです。そんなことはないのですけれどもね。ある程度の年齢になると、同窓会は持病・病歴自慢大会になるらしいですけれども、ピンピンしている人だっているでしょう。

必ずお話しするのは、安易な鎮痛剤や手術は避けたほうがいいですよ、ということなのですが、ちょうどタイムリーな記事を見つけたので紹介しておきます。
膝痛で画像診断されると半月板がささくれている様な経年磨耗とされる状態(変形性膝関節症のひとつ)がよく見つかり、

「これが原因ですね、手術しましょう。」

なんてことになったりするようですが、最新の研究では半月板損傷の内視鏡手術はあまり価値のない手術であることがわかってきていて、アメリカの有力紙 NewYorkTimesでも取り上げられています。

下図はすねの骨の上面です。
左右にくるりと上弦、下弦の月みたいに乗っているのが半月板です。
meniscus
研究が示唆する膝関節手術の限られた成果-NYT紙

(英語のサイトですが、ブラウザの翻訳機能をポチっとすると何とか意味の取れる位には翻訳されますので試してみてください。)

このような手術がアメリカでは年間70万件! 医療費にして400億円!
日本の数字は見つかりませんでしたが、きっとそれなりの数字でしょう。アメリカはまだしも、日本は皆保険でまかなわれるので国家財政の大きな負担ですね。大きく切開しなくてもできる関節鏡手術が一般的になり、変な言い方ですが”手軽な手術”になったのもひとつの要因ではある様子。しかしながら、本当に必要とされている手術は全体の20%程度、と医師も認めています。
痛みがあればストレスになりますし生活もしにくいですから、「簡単な手術で痛みはなくなりますよ、低減しますよ。」といわれれば、「はい、おねがいします。」となりかねませんが、その後の人生へのリスクも大きいですから、切迫した状況でないならばほかに手立てはないものか(実際いくらでもありますから)、探してみてください。

手術がよくないからといっても更なる最悪のケースは、切るのはイヤだけれども痛いのもイヤだから、とりあえず痛み止めだけください、というやつです。行く末は、修正不可能になり人工関節です。痛くなる原因をそのままに、誤魔化しながら使っていけば患部・症状は悪化するのみです。言わずもがな、痛み止めのおかげで痛くないという状態は、治っているのではありません。術後の身体各部への影響もさることながら、人工関節は劣化しますのでいずれまた置換手術、もう一生病院から逃れられません。
膝に限らず肩こりだろうと腰痛だろうと慢性症状に対して鎮痛剤を有効に使うということは、必要な施術、治療や理学療法・運動療法が痛みを緩和させることで効率よく進みより良い結果が得られる、より早く改善できるなど、明確な利用方針がある場合ということです。
痛くて寝られないとか、歩くのもままならない等に対して緊急措置としての利用もありますが、その後どうするかはきちんと決めておくべきです。それほどひどい場合でも、手術を必要としないケースはあります。
まあ、最近はいろいろ提案してくださる医師をさえぎって「いつもの(痛み止め)ください。」というモンスタークライアントなる方もいるようですので、それはもう自業自得ですね。

話をもどしまして、上にリンクした論文で検証されたことのひとつに、実際に手術をした方と擬似手術をした方を経過観察し、一年後に大きな差はなかったと、というのがあります。そして、手術ではなく理学療法のほうが大きな成果すらあったということです。
大事なのは、手術してもしなくてもおんなじなんだね、というところではなく、理学療法の効果が大きい、というところです。つまりはリハビリテーションがうまくいくと改善されるということで、その人は動作を改善する必要があり、言い方を変えればその人の動き方が関節に負担をかけていて、とどのつまりその痛みは自分で作っていたということです。

ロルフィングのベーシック10セッションでは、動きを改善していくことも大きな要素のひとつです。知らないうちに身に着けてしまった負担のかかる身体の使い方を認識し、正しい動きを学ぶ。これは大切なことです。

ということで(どういうことで?)、自宅でもできるセルフケアの方法なんかも書こうかと思ったのですが、ぼちぼち疲れてきたので(!)、外来受診マニュアルでも書いて締めることにします。どこか痛み出して病院を訪ねるならば、まずはしっかりと(自助努力含め)改善の意思があることを伝えて、診断処方を受けると良いですが、先方からの対応例を挙げると、

  1. 画像診断、触診、動作検証の上、リハビリ併用の治療方針で経過を見る。
    ⇒標準的な対応かと思います。
    しかし3週間しても変化・改善がないならば、医師の指示が悪いか理学療法士・作業療法士の技量が伴っていないことが考えられるので転院をお勧めします。
  2. たいした説明もなしに手術や鎮痛剤の使用を進められる。ただシップを出されるだけ、とか。
    ⇒きちんとした説明を求めてください。めんどくさそうにされたり明確でないならば、金づるにされそうですので、他をあたるか最低でもセカンドオピニオンを求める。
  3. どうにも納得できないので、大塚さんに相談する。
    ⇒最善策です。(ホントか?)

強引なオチをつけてみましたが、上記1・2、これは両極端で、実際はこれらの中間な感じでしょうけれども、参考までに。

セルフケアの方法なんかも、きっとまた書きます。

 

では、また。

 

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Structural Integration
GSI公認プラクティショナー
大塚 由洋

otsuka@yoshihiro-otsuka.com
www.yoshihiro-otsuka.com
愛知県安城市住吉町6-1-2
TEL/FAX 0566-96-0478
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ロルフ博士著書「Gravity」/ 60年代

ロルフ博士が50年も前に記した「Gravity」という論文の邦訳本をご紹介します。

Structural Integration [Gravity]
ストラクチュラル・インテグレーション「グラビティ」 

“An unexplored factor in a more human use of heman being”
人のより人らしい機能の中で ほとんど知られていないある要素 

 

このロルフ博士の文章は、1963年に米国内で発行されたあるジャーナルに掲載された論文で、重力が与えるエネルギー、ストラクチュラル・インテグレーションの発明などについて記されています。

内容:

  1. 外の世界は内の世界の投影である
  2. 何が人を「全体」にするのか
  3. 重力が人にエネルギーを与えている
  4. ロルフ博士のある包括的なテクニック
    (原文 A5 20ページ、訳本 A5 54ページ)

サブタイトルと項目だけでボディワーカーにとってはとても魅力ある響きが並んでいるわけですが(笑)、実際に内容も示唆に富んだ読み応えのある冊子です。
いかんせん、直訳なので、英語的な表現になれなかったり、時代背景などに疎い場合は、いくらか読みにくい部分もありますが、自分の中の引き出しをフル活用し知識と想像力を発揮し、じっくりと文字を拾っていくことで、とても満足な読書体験が得られます。

書いてみると、なんだか、えらくハードルが高いな(笑)。

ちょいと、翻訳者のコメントも入れておきます:

翻訳者佐藤はこの冊子を聴講生であった数年前に手にし、昨年の震災を機に翻訳を始めました。地球に所属する私たち人類に重力が与えるエネルギーについて理解し、クライアント様へ安定した施術を提供し続けるうえで大きな助けになりました。クライアント様やこれからストラクチュラル・インテグレーションを学ばれる方に読んでいただけたらと思っております。
現在、博士の著書の著作権はすべて米国RIにあります。私の著作権リリースリクエストは残念ながら許可されませんでした。そこで、非公式な翻訳ではありますが、ご興味のある方にお譲りするという方法を選択致しました。
お問合せお待ちしております。
(問合せ先:sibook@rolfbal.com)

アメリカの60年代というと、ロルフ博士のような女性科学者はまだまだ珍しく、ベビーブーマーが社会を担う世代へと成長してきたころで、 脱社会的なヒッピーやフラワーチルドレンがいたりベトナム反戦運動や学園闘争(これらは世界的に連鎖し、日本でも学生闘争時代になりましたね)が起こる時代でした。

そしてロルフィングもその一翼を担ったエサレンを中心とする「ヒューマンポテンシャル・ムーブメント(人間の潜在性開発運動)」、そのほかホリスティック・ヘルス、ニューエイジ、ニューサイエンス、エコロジー、スピリチュアリティなどが台頭してくる時代の転換期となり、今でも、60年代以前/60年代以降という言い方をされます。

冊子の内容に戻りますが、アイダ・ロルフ博士は、自身の生化学者としてのバックボーンと、旺盛な探究心と洞察力をもって、ストラクチュラル・インテグレーションを体系づけてくれました。ロルフィングがとても効果的なボディワークであることは間違いないのですが、彼女にとってのロルフィングはあくまで一つの手段にすぎず、見据えていたのは成熟した社会、無駄な争いのない世界だったのだろうと読み取れる内容です。

ロルフィングを学ぶ人はもちろん、施術を受けている、受けようとしている人にも価値のある内容です。もちろん、ロルフィング以外のボディワーカーや、はたまた今は身体に対して興味を持っていない方も、なんだか閉塞感を感じるというか行き詰ってしまっている人でも、ヒントを得られる内容だと思います。自分も、社会も、まだまだ変われる、良くなるぞ、って思える幸せな感じです(笑)。

 

さて、佐藤さんのコメントにもありますがこの小冊子は著作権リリースがかなわず、残念ながら正式に販売することはできません。あくまで、ライフワークとしての翻訳をシェアするという形で、頒布価格(印刷製本手数料)として500円でお譲りしています。配送はメール便(80円)で可能です。ご希望の方は上記にある翻訳者佐藤さんまでお問い合わせください。ただし、佐藤さんは2013年3月中旬までは渡米中ですので、その後の対応になると思います。お急ぎの方はウチにも多少在庫がありますので、対応させていただくことは可能です。

たくさんの方にアイダ・ロルフ博士の言葉が届くとうれしいです。

 

では、また。

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北海道(道東)出張が決まりました

今夏、北海道に長期出張することが決まりました。

北海道には現在2名の認定プラクティショナーが活躍していますが、お二人とも札幌で実践しています。でっかいどーの反対側から札幌まで通うのは、大阪から東京へ向かうようなものなので、10回の基本シリーズを受けるにもなかなか容易な距離ではありません。
G.S.I.でクラスメートだった佐藤志穂さんが、しばしば道東へ出張されてワークしていたのですが、施術希望者をまかないきれず、ウェイティングの方たちを引き継ぐ形で今回の長期出張となりました。

7月の下旬より5週間ほどの出張の予定です。期間中可能なセッション数は、おそらく100セッションくらい、頑張って110セッションと考えていますが、今のところ10代から70代まで60ちょっとの希望があります。せっかくの機会ですので、興味のある方、道東に知り合いのいる方は是非お問い合わせください。立地としては、知床、根室が近く、網走、釧路、北見くらいまでは通えるかと思います。

概要は以下に。

 

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2012夏期 道東出張

日程:7月23日(月)~9月2日(日) (予定)
場所:標津町内(ご予約の方に詳細ご連絡)
時間:約90分/ 1セッション
料金:1セッション ¥12,000 +出張旅費(概算¥3,000)
※ご高齢の方、小人には別途料金設定があります

セッションパターン
1回:呼吸と習慣性の姿勢にアプローチ
2回:慢性的な姿勢パターンや、痛み、緊張の改善に効果
10回:基本10回セッション;最も効果的に身体を再構築

ご予約・お問合せはいずれかで
1. 当サイト予約・問合せページ こちら
2. メール:otsuka@yoshihiro-otsuka.com
3. TEL/FAX: 0566-96-0478
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では、また

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